サミュエル・ジョンソン
日本が初代王者に輝いた、野球の世界一決定戦WBC。韓国の野球連盟総裁は、10月にも日韓戦を行い、真の世界一を決定すべきだと発言し、波紋を呼んでいる。
そんな中、イチロー選手・大塚選手以外は、チームジャパンはすでに今日日本に帰国。成田には1000人ものファンが詰めかけ、選手は実感がわきつつも、戸惑っている様子だった。
イチロー。私が今回最も印象に残った選手。イチロー選手は、WBCを振り返り、こんなにひとつの目的に向かってまとまったことは無かった、と振り返った。
スポーツナビ | ニュース | 「野球人生最高の日」 日本引っ張ったイチロー
イチロー選手は「素晴らしい仲間と野球ができて本当にうれしい。ものすごいプレッシャーだった。このチームでメジャーで戦いたいくらい。子どものように純真にプレーしたし、プロとしての責任も果たした」。
「燃えに燃えたイチロー」のWBCは、最高の形で幕を閉じた。1カ月間、寝食を共にしてきた“世界一”の仲間と別れ、再び大リーグの戦いに戻る。(サンディエゴ共同)一部抜粋
孤高といわれた彼を生み出したのは、きっと僕たちだ。過剰な期待と報道。ファンやマスコミ、我々は、彼に対する愛情と尊敬を表現するのではなく、我々に対する返礼を期待し続けたのだろう。でも彼はそれに答え続けたと思う。
しかし、最近は、そんな彼ですらモチベーションを感じられなかったのかもしれない。成績が上がらないチーム。それを改善使用ともしないチームメイトやスタッフ。彼は、自らの技術を磨き、新たな記録を作ることで、なえそうになる自分の野球への思いを保ち続けたのかもしれない。もともとそれにしか興味が無かったのだ、と、誰もが思っていたと思う。
でも、今回、彼は違った。確かに彼は自分の向上に興味が無かったわけではないと思う。しかし、彼が求め続けたのは、そのためだけではないだろうが、「新しい世界」「新しい刺激」「新しい自分」だったのではないかと思う。
ここ数年のマリナーズでの日々は、きっと彼にとって刺激の無い、途方にくれた日々だったに違いない。そして、「国を代表して戦う」という事に、並々ならぬモチベーションを感じたに違いない。彼にとっての新たなるステージ。
そして、そこでの戦いは、彼にとって「新しい野球」を見せるのに、十分だったはずだ。そして、今まで感じた事のない緊張感や敗北、屈辱、そして、勝利の喜び。それらを全て、忌憚無く彼は表現していたと思う。
その姿が、抑圧するのが癖にすらなっている日本人の心に火を、いや、「日」をつけた。日の丸が、心に昇ったのだと思う。
技術で全てを向上させてきた彼が、その「ハート」で栄光をつかんだ。
本当に必要なものはなんだったのか。彼のようになるために、本当に必要なものはなんだったのか。それはきっと、「夢中になること」だったのではないかと思う。そして、その原動力は、「あらたな出会いを求める」気持ちだった。
私にとっての新たなる出会い。
それが人をここまで変えてしまう、圧倒的な力を持っていることを知った。
そして、僕自身にとっての新たなる出会いを、探してみたくなった。
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